8月が終わる。今年の夏が終わる。

今年は、どんな夏だったのだろう。

いつもと同じ暑い夏。

いつもと違う暑い夏。

何も変わらなかった夏。

何かを変えられた夏。

今夜、江ノ島の夜空に花火があがった。

今日のしらべは、あれくん「好きにさせた癖に」

街に向かって自転車を走らせた。

いつもよりは暑くないはずなのに、気づけば汗だくになっていた。

月末はいつもこんな調子で、朝から忙しい。

どうにもならないかもしれないと思った春をすぎ、

なんとかなった夏を越え、

どうなるかわからない秋を迎える。

*   *   *

いつからか、不自然なくらいに、何にもときめかなくなった。

なにかにときめいていないと、誰にもときめいてもらえない。

きっとすべてのことがそう。

光輝き、熱を帯び、情熱を注ぎ、狂おしいほど愛し、そうして紡がれていく時間の中に、また誰かを熱狂させていく力が生まれる。

また、ときめくことはできるのか?

きっと大丈夫。惚れっぽいから。

9月の波は、少しメロウに耳をなでる。