再開、再会、最下位

前回書いたのは今年の1月。その前は去年の9月。毎日書いていた時代から考えると、ほんとに訪れなくなった場所。

人生で最初にブログをはじめたのはいつだろう。思いだそうにも、思い出せないレベルで懐かしい話。おそらくはネット初めてすぐぐらいだから、20年以上も前のこと。その時にくらべると、本当に書かなくなった。

書いては消していた頃もあった。消さずに書きなぐっていた頃もあった。

いくつもブログをつくっては、いくつも放置してきた。

気づけば書くことが仕事になっていた。それでもブログは続けていた。

まったく何も書かない時期は何度か訪れる。

「ほんとうに書くことが好きだったら、止まることなんてないと思うんだけど」

プロになる前に、ふと言われた言葉。今でもたまに頭をよぎる。シンプルに心をえぐる。そのたびに正解がわからなくなる。

この場所は、シェアもしないし、存在も誰にも教えていない場所。ドメインは僕の名前そのものだけど、今どきのインターネットでは多分だれも見つけない。

だから、何の気兼ねもなく書ける。

それって、ちょっと可笑しい。あんなに読まれたかった時代があったのに、今じゃ読まれたくないって思う。

仕事で読まれる文章を求めている反動だろうか。この仕事向いてないんだろうか。余計な疑問がリズムを刻む。

ネガティブは書かない。炎上することも書かない。書き殴らない。

それって、なんだろう。心の奥底に鳴り響く疑問のメロディを、波音がかき消していく。

決めごと、億劫、停滞。

タイトルがネガティブで非常によくない。

前回から約4ヶ月ぶりにここに書いている。

どんな風に書いていたのか、忘れてしまうほどだが、特に誰も読んでいない日記に、ルールなどなくてもよい。

思えば、なんとなくタイトルのフォーマットや、書くテイストを決めていたが、毎回なにかしらYouTubeに公開されている楽曲を紹介しようとしたのがよくなかったのかもしれない。

書くために新しい曲を探す作業が意外と億劫になっていった。

懐メロでも良かったのだが、なんとなく最新曲にこだわった。
YouTubeにアップされている曲縛りにしたことで、自分が気になった曲のストックがどんどん無くなっていく。

結果、更新が止まった。

誰に読まれるわけでもないが、なんとなく誰かに読まれるかもと意識していたところはあったのだろうな。自意識過剰とまでは言わないが恥ずかしい。

若い頃は誰がどう見ていようと気にならなかったものだが、いつのまにか気になるようになってしまったようだ。はずかしいオッサンだ。誰がどう見ていようが関係ないのだから、好きなようにしていればよいことだ。

文章屋として仕事をしている以上、誰かに見られるかもしれない文章はそれなりに流麗でありたいと思った結果、ここの文章もそれなりに整えるようになっていた。

なにもかも見事に自分の足かせになっていく。

毎日書いていたが、1日書かなかったことで、見事なまでに書くのをやめてしまった。

足かせになる決めごとはここに必要ない。

辻褄、拒否、毒。

太陽が照りつける。

暑いが、風は涼しい。

ひさしぶりに自転車を漕ぎまくる時間。2日目。

10年前と比べれば、体力は落ちている。

それでも頭の中は、10年前のまま。

だから、いろいろと辻褄が合わなくなる。

輝かしい過去で、自分が見えなくなる人のよう。

今日のしらべは、Tom Misch & Yussef Dayes「Nightrider (feat. Freddi Gibbs)」

チルな曲は夏の夕暮れ?

それとも秋?

家にばかりいると季節の存在がぼやけていく。

外は気持ちがよい。

バルコニーに出るだけでいい。

ドアの外、瞬間的に熱気が身体を包む。

拒否したくなるような暑さ。

数秒の葛藤のあとにくる心地よい風。

季節を拒んでいたのは自分。

*   *   *

人の弱さや駄目さを取り上げて、笑いにする。

人の粗ばかり探し、人を貶めて心がそよぐ。

きっと居場所がないからだろう。

自分がそうなってしまわぬよう。

もしかしたら、そうなっていた時もあったのかもしれない。

今もそうであるかもしれないと思い戒める。

例えばそれがつまらない存在にしてしまったとして。

例えば毒味がないことが魅力的じゃないとして。

葛藤などいらない。

もう、おじさん。十分毒だ。

しずく、あくび、寝る時間。

自転車を漕いだ。

必死に漕いで汗だくになって、それでも漕いだ。

踏み込んでいた脚を止めると、秋の風が頬をなでる。

濡れたほほが冷たくなる。

静かに落ちていくしずく。

何も考えずに、与えられた使命をこなすことはとても楽だ。

楽だけど、そこにずっと居たくないと思う。

もがいているのか、とどまっているのか。

答えがない。

今日のしらべは、yama「a.m.3:21」

ネット発といった言葉が飛び交う。

目新しいと思うのは誰?

ネイティブな世代は、何が新しいかわからない。

ネイティブな世代っていくつ?

ミレニアル世代だって社会人折返し地点。

僕らはいつになっても、誰かの適当な謳い文句にあくびをする。

眠たくなるようなフレーズから目を覚ましてくれるのは、いつもグッドミュージック。

答えなんかなくていい。

*   *   *

ほどよく筋肉が疲労している。

あしたは少し痛むだろうか。

動かさなかった身体たちが目を覚ます。

目も冴える。頭も冴える。

もう寝る時間だ。

夏心地、秋の空気、わかったつもり。

都内から帰ってきた。

波打ち際の街。

涼しい海からの風が、心地よく頬を撫でる。

まだ夏心地。

いつまで、この流れる汗に、心が揺れていられるのだろう。

秋は通りすぎ、冬になる。

あの頃の秋も、今も、この先も。

まだ鬼が笑うくらい気が早い。

もう少し夏を味わいたい。

今日のしらべは、STUTS「Conflicted」

エアコンの効いた部屋のドアを開ける。

一瞬、夏の潮風を暑いと感じる。

しかし、その後すぐに、秋の涼しげな空気が包み込む。

季節はいつも外にある。

窓を開いて、空気を吸いこむ。

*   *   *

何もかもがうまくいかない時がある。

心の奥底に抱えた傷跡がずっと痛いこともある。

どうすれば、安らぎはくるのだろう。

どうすれば、この傷は癒えるのだろう。

わからないことなんて、人生にいくらでもある。

逆にわかることはなんだろう。

本当にわかっていることなんだろうか。

わかっていたつもりが、何もわかっていなかったことなんていくらでもある。

結局、本当にわかっていることは、何もないのかもしれない。

背中、嘆き、配達。

毎日、新しいことがあるとワクワクする。

毎日、同じことが繰り返されるとどうだろ?

嫌いなことが繰り返されると、鬱蒼とする。

好きなことが繰り返されると、安心する。

新しいことと好きなことは、背中合わせ。

好き同士の背中あわせ。

ずっと、くっついていたい、

そんな背中合わせ。

今日のしらべは、Ogawa&Tokoro「Shinmaiko」

自分のことを理解されていないと嘆き、

やってもいないことをやったと噂され、

それでも毎日、心が穏やかに過ごすことにつとめ

それでも毎日、なにかがすり減っていくような感覚で

それでもきっと、僕は今を生きるしかない。

*   *   *

これまで数多くの仕事をしてきたが、昨日、また新しい仕事をした。

自転車で、フードデリバリーする仕事。

まったくもって儲けなんてものはなく、

普通に自宅で仕事したほうがお金にはなる。

だけど、やってみたいと思ったら止まらない性分。

言われたとおりに、運ぶだけ。

それでも、どこか新しい仕事にワクワクした。

それと、ほどよい運動。

お金もらいながら、ジムに通っている感覚。

フィットネスゲームみたいな感覚。

ただのダイエットはあまり続かない。

目的がそこにあるのは大きい。

今朝、ほどよく筋肉疲労。

2日目はいつにしよう。

スパイス、コピペ、ギター。

Tシャツにスパイスをこぼした朝。

ふわっと日常を包み込む香り。

さっさと着替えればよいのに。

コップ一杯の水を飲み干す。

台所のスポンジから水が滴る。

雨があがり晴れ間が見える。

レースカーテンを開いて風を吸い込んだ。

今日のしらべは、Tom Misch&Yussef Dayes「Tidal Wave」

人間の手はすぐに堕落していく。

パソコンやスマホになれすぎて、久しぶりに手書きで書くと、見事なぐらいに書けない。

元々褒められた字ではないが、以前よりも酷さが増している。

読める漢字は増えたが、書くには少し記憶が薄い。

仕事の原稿は、間違えがないようにと人物名などはコピペする。

そのおかげか、指先から記憶が消えていく。

この日記ではコピペはやめよう。

いつか、自分のことすらわからなくなりそうだ。

*   *   *

最近、ギターを熱心に爪弾いている。

熱心といっても1日1,2時間程度だ。

ここまでまじめに弾くのは10年以上ぶり。

その頃よりも熱心だと思う。

鍵盤がメインだが、人生ではじめて買ったのはギターだったりする。

*   *   *

難しいコードに出会うと、一瞬手が止まる。

その曲を弾くのをやめようかと、ためらいが訪れる。

それでも練習していると、億劫だったコードが楽になっていく。

その曲が好きで、弾きたいと思う気持ちがあればなおのこと。

ブレイクスルーの瞬間はある。

人は簡単に柱を立て、簡単に壁をつくる。

壊すのは簡単なようで、意外と難しい。

でも壁は壁。

好きは強い。

警鐘、囁き声、予想外。

大きな台風が迫っている。

連日、ニュースで警鐘が鳴り響く。

海辺には、昨日に続きビッグウェーブが来ていた。

潮風が街を包み込む。

季節の変わり目は、もうここにはいない。

今日のしらべは、FEM「Light」

高校生ぐらいだろうか。カヒミ・カリィに触れたあたりから、ささやくように歌う女の子の声が好きになった。

自室のスピーカーから耳に届く音。

多感な年頃の僕の何かを掻き立てたわけではなく、その囁き声をただただオシャレに感じた。

あれから何十年も経つ。いまだにあのときと同じように心地よい。

好きになる女性は、どっちかというと低い声の人が多い。

*   *   *

雨が降る前に自転車を走らせた。

買い物を終え、店を出ると、白雨が目に映る。

こんな時は、与えられた想定外の時間を楽しむに限る。

雨を避けながら、いつもは行かない店に立ち寄る。

空に青と白が広がった頃、予想外の荷物を抱えた。

想像がつかないことは楽しい。

本当のあしたはまだ想像がつかない。

雨上がりの街は、ほんのり涼しかった。

もう秋だ。

土曜日、潮風、やること。

目覚まし時計は、ほぼセットしない。

いつも何もしなくても勝手に目が覚める。

だけど、いつもより遅く起き出す日がある。それが、土曜日。

それぞれのルーティン。

それぞれの日常。

育ての親でも違う時間の過ごし方。

夫婦、ましてや恋人なら違って当然だ。

今日のしらべは、Made In Heburn「Poolside」

海が好きだ。

生まれた場所も海が見える病院。

いつかは海沿いに住みたいと言っていた。

そして去年、海沿いの街に移り住んだ。

毎日が心地よい。

バルコニーから見える海に毎朝感動を覚える。

海岸まで散歩すれば、潮風が心地よい。

海が好きだ。

*   *   *

何もしたくなくても、生活はやってくる。

掃除、洗濯、料理、お風呂。

テクノロジーのおかげで、ずいぶんと楽となった。

我が家には、自動で拭き掃除してくれるロボットがいる。

それでも、完全自動化にはならない。

モップを変えたり、洗ったり、水を足したり。

洗濯機だってそうだ。

乾燥までやってくれるものはあるが、たたむまではやってくれない。

たたむのをやってくれるものはあるが、水洗いはしてくれない。

まだまだ僕らには、やることがある。

それでいい。それがいい。

今日、スマホ、それでいい。

今日は1日、外にいた。

朝からでかけた。

家に帰る頃、日は水平線の下に潜っていた。

仕事ではない。

大切な人の、大切な思いを、大切に紡ぐために、すごした時間。

どっぷりつかれた。

ありがとうと言われた。

それだけで、今日が今日になった。

今日のしらべは、Vaundy「life hack」

何をして過ごせばよいのかわからないときがある。

スマホを開く? 音楽を聴く? 本を広げる?

何をして過ごせばよいのかわからないから、やはりわからない。

ただ、スマホは選択肢から消えた。

少しだけ大人になったのかもしれない。

*   *   *

この日記を毎日続けられているのは不思議。

この調子なら、他のブログも続けられるかもしれない。

けれどここは、誰も見てないから続けられている。

あぁ、そうか。

読んでほしいのに、思うように読まれずに苦しい時があった。

けれど、読まれていないようで、実は読まれていると知った。

それ以来、心の片隅にずっとのしかかってる。

読まれていることが、プレッシャーになってしまったのかもしれない。

もっと自由でよかったのに。

きっと自由でいいのに。

誰かを傷つけるかもしれない。

誰かに馬鹿にされるかもしれない。

誰かに読まれたら、恥ずかしいのかもしれない。

それでいいのかもしれない。

それで、いい。

なんとなくだけど、少し肩の荷が降りた。

いま、この瞬間。