昨夜の宣言どおり、朝に筆をとる。

この夏、はじめてのまともなおでかけ。

こんな日に限って、時々雨の予報。

無味無臭な風景に、雨をふくんだ湿っけのある香りが加わる。

風は、木の葉がゆらぎ光が揺れ、さえずり、頬に触れて景色になる。

今日はきっと思い出になる。

今日のしらべはYONA YONA WEEKENDERS「SUNRISE」

MVをみて、知っている場所だと気づいた。

ここは、元々スイミングスクールのプールとして水が張られていた。

プールは水がなければ意味がない。だけど、水がないから意味が出る。

遠くでおよぐ彼女の姿。制服姿で脚だけ浸し、乱反射する太陽の光に照らされる姿。窓際に立つ彼女の遠い後ろに映る、水のないプール。

どれもすべて、景色になる。

*   *   *

使っているスマホ用のジンバルが、新製品を発表した。

不満点が解消された製品をほしいと思うのは、仕方のないこと。

今まで愛用していたお古は、意味がないものになる。

いや、本当にそうだろうか。

ふと手に握る。形はきっとどれも同じ。だけど、なんだか自分の手に馴染んできた気もする。

*   *   *

人も歳をとる。アップデートしない毎日を過ごす人もいる。

誰かに仕事をとってかわられたとしても、捨てられることなく、毎日を生きている。

意味のないものなんだろうか。誰かの景色としての存在なのだろうか。

そもそも意味ってなんだろう。生きていくことに意味は必要だろうか。

無意味であることもまた、意味があるような気がする。