外出は物語。家に1日いると、何も起こらない。何も生まれない。

エアコンの効いた部屋は、時間が止まる。

駒を進めるために、足を外に向かわせる。

今日は時間が止まったままだった。

今日のしらべはSUKISHA × kojikoji「表情筋」

kojikojiの声は、どこで聴いても、なんど聴いても癒やされる。

夏はメロウで涼しく、冬はスローに温めてくれる。

*   *   *

今日は豚かつを揚げた。ごま油で。

部屋中に揚げ油の香りが漂う。

キャノーラで揚げた時は、ただただ不快な残り香だった。

同じように漂って、染み付いて。違いはわからない。

ただ、ごま油だとちょっぴり幸せな気になる。

*   *   *

それぞれの家には、それぞれの香りがある。

よそからすれば、うちはどんな香りなんだろう。

田舎の懐かしい匂い?芳香剤の甘い香り?それとも、また別のなにか?

自分の家の香りがわからないのは、いつもいるからだけじゃない。

しばらくぶりに帰った実家でも、鼻が違和感を感じない。

鼻にしみついて、一部になっている。それが居場所なのだろうか。

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以前に里帰りした際、街の香りをとても強く感じた。

ただ、落ち着かなかった。

犬も香りで家に戻ってくる。鼻すごい。